オープンフォーラムは土曜日に終了したのですが、その中で、中央大学の竹内教授のお話でちょっと印象に残った部分がありました。
竹内教授は元東芝のエンジニアというか研究者で留学もしたことがあるというくらい優秀な方。その方でもやはり東芝ではエグゼクティブにはなれないコースだった模様というのが話の中から伝わってきました。
留学してMOTなどを学んだのにも関わらずです。日本の会社では出世コースは工場長というくらい現場で金を実際に、「今」稼ぐ部門の人。この「今」というのが非常に、経営者としては短期的にしか物事を見ていないということの現れです。
そもそも研究開発などは、数年で成果が出ればいいほうで、すぐに結果など当然出ません。杉に結果の出る研究開発というのは現場での改善レベルでのはなし。なかなか研究開発は難しいものなのです。
このすぐに結果のでない研究開発はまさに破壊的イノベーションへとつながっていくものであり、まさに次世代の糧となるものなのですが、これが全く理解できていないのでしょうか。
昔と比較し、2010年を過ぎた現代では、4,5年でガラッと業界の勢力図が変わることがすでに証明されています。半導体業界を例に上げて竹内教授は説明されていましたが、この、ITの進化があまりにも強力で、あっという間にすべてが塗り替えられてしまう時代になってしまいました。
そいうことがわかっているのかいないのか、全く変わろうとしない会社もあります。うちは大丈夫だろう、この業界に限ってそういう劇的な変化はないなんということはありません。必ず、今のやり方だけを続けていると、淘汰されていくことでしょう。
特にIT系の会社では、まだまだSI業務が主流となっている部分もありますが、そのうちSIなんて言うものは消えていくでしょう。以前、システム開発といえば、大規模にウォーターフォール型で何年もかけて開発していたのですが、最近では、Webやネットの進化が激しいので、スクラッチでじっくりと作るということはほぼなくなってきています。また、オフショア開発なんかもなかなか普及していないのですが、そろそろこのあたりも大きく国内に入ってくることは間違いないはずです。
そうなった際に、今までのやり方で、のんびりやっているところはあっという間に淘汰されていくでしょう。下請けでやっていくことには全く価値がなくなっていく時代です。オリジナルのアイデアでイノベーションを起こしていくような人材がいる会社こそ今後生き残っていくことでしょう。
そういえばダーウィンの名言を思い出しました。
「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」
まさにこのことだと思います。常にアンテナを張って新しいことにチャレンジし続けない人、会社は生き残る価値もないでしょう