IT系の技術者が足りないと言われ続けて早数年。みずほのシステム更改、マイナンバーなど原因は色々ととりたざされていますがはっきりとした原因はよくわかりません。

Web2.0と言われた2000年代にシステム投資が一度ピークを迎えその後リーマンショックにより下火。再びIT系の投資が増えてきたことだと思います。やはりここ数年だと、携帯電話からスマートフォンへのライフスタイルの変化が一番でしょうか?

いままでは電車の中でも携帯をちゃかちゃかいじってインターネットに接続するなんていう人は少数派だったのですが、この2、3年のスマートフォンの急激な普及により、インターネットに接続している時間のほうが長いのではないかというくらい、スマートフォンをいじる人が増えました。

当然、スマートフォンは小さなコンピュータですのでこれを動かすためのソフトウエアが必要となります。ここにサーバサイド、クライアントサイド問わずにシステム投資が発生、結果としてIT系の技術者不足という事態に陥ってきたのではないでしょうか?

IT系というのは他の産業と異なり、上流から下流まで、やろうと思えば一人でできてしまう業界ですので、人材の能力による役割分類が曖昧だったりします。

例えば自動車産業なんかは、企画、設計、製造など全く必要な能力が異なり、細分化された能力構成の組織となっているのに比較し、IT系はなんだか曖昧な感じで全部をこなす、と言う形態です。

しかしここが実は落とし穴。IT系の製造は自由度が高く製造者任せになってしまうことが多々あります。建築系に当てはめて考えると、実際に製造を行う現場の人間が勝手に工法を変えたりして作ったりしませんよね?

IT系はここに製造者の自由度が高かったりします。なぜ?要はIT系の製造は画面に向かって一人で開発することが多く他の人の目が入りづらい。また、プログラミング言語にしても、言語というくらいなので同じことを実装するにもいろいろなやり方がある、このあたりが原因なのかもしれません。

で、IT系の技術者というと、一般にはこの製造者をイメージすることかと思いますが、実は技術でもなんでもないのですよね。技術というと一般的な業界では、特許性があったり、論文で発表できたりするような種類のものを技術というのですが、IT系の製造にはこの部分はありません。

IT系の技術者というとやはりデータ処理だったり、ロジックを作ったりというようなその部分に関してが技術ということになります。当然技術の開発には実際にプログラムを組んで確かめる必要があるので製造もできなければいけないことは他の業界とはちょっと違う部分があると思いますが。

巷でいうIT技術者はほとんどがIT系の製造者のこと=IT土方という構造なのですがこのあたりが実は隠蔽されていて、みんな勘違いしてしまう。

ITの技術者は将来の発展のために必要な技術(アルゴリズム、ロジックなど)を作る人なのです。

最近では自動プログラム生成ツールも進化し、だいぶ使えるようになってきました。今もてはやされているIT土方の仕事を奪う形に進化していくことと言われています。そうなった時に大量の失業者が生まれてしまう。そんな時代になってくるはずですので、IT土方にはならず、真のIT技術者になっていく。そういう思いを持った人が増えていくことを願っています