最近よく言われていますが、「モノ」から「コト」へと言うキーワード。ものを所有する時代から物によって経験を得ることを重視する時代へと変わったということです。

この典型的な例が、AWSなどのクラウド化。一昔前といっても2000年の頃なのですが、この頃はサーバを借りるのも一苦労で、自前でデータセンターを契約してサーバの実機を買って自分で運用するか、レンタルサーバーの業者から非常に高い金額で借りるかの2つしかなかった時代。この時代から、AWSの用に規模の経済で非常に安くかせるようになってくると、自前でサーバを所有する必要はなくなり、それを武器に商売をしていたような企業は退場していただくような時代になってきました。

いわゆるサーバという「モノ」からサービスという「コト」への変化だと思います。
今時、自前でサーバをもって、その上で自社のサービスを作って提供するという形態では、全く金額的に合わなくなってきていることでしょう。そもそもサーバというものは生鮮食品と同じで、期限付きのもの。何年かすると老朽化しリプレースが必要になってきます。
自前でサーバを持っていると、それをメンテナンスする人員も必要ですし、そもそも固定資産として非常に扱いづらいという面もあるので、最近ではわざわざ自前で所有する人もいなくなってきているのが現実です。

しかしながら、いまだ金融系などではクラウドはけしからんという風潮があるのも事実。ただ、その風潮もだんだんと変わってきているのですが、それについていけないベンダーさんたちもたくさんいるのも事実。
時代の先を読んで、うまく変体していかないと生き残ることも難しいでしょう。

今まではシステム開発といえば、巨額の初期開発費をもらって、運用でも儲けるというような形態が主流でしたが、これからの時代はそういう形態はだんだんと廃れていくでしょう。

スクラッチででっかいものを開発するのではなく、マイクロサービス的に、部分最適化したシステムをAPIでつなげていくという形態。これが今後の主流となっていく。必然的に、システムの購入などの権利は、本当に使うユーザ部門へと移っていき、今までのように情報システム部門がでかい顔してというような時代はなくなっていくでしょう。
情報システム部門が大きな顔をできた時代は、システムが複雑で扱いが専門家じゃないとできなかった時代。いまは、誰でも使えるようなユニバーサル化が進んでいますので、情報システム部門の役割が衰退していくのは仕方がありません。

ともあれ、モノからコトへと言う流れは止めることはできそうにもありませんので、それにうまくついていくように素早く変体する組織づくりが重要になるでしょう